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[subscriber:firstname | default:Subscriber]さん
こんにちは。

「あなたのかかりをしようよ! 自分と周りを幸せに出来るよ」
を伝える、
あり方を発見5歳児
『ばなな』でございます。
谷山君の話



あるとき、ぼくは水泳指導回数券というのを購入して、
インストラクターに教わってみたくなりました。
バタフライをマスターしたかったのです。



準備運動を終え、シャワーを浴びようとすると、
せんせい、と声をかけられました。
「覚えていますか、た、谷山です」



そう言われて、最初は誰なのか分からなかったのですが、
ぼくと目があったとたん、右手を後頭部に当てたときに
「あっ、谷ちゃんだ」
と思い出したのでした。



「まだ泳いでいたんだ?」
ぼくが尋ねると、あれからずっと、と。

大学までずっと泳いでいて、
こちらの系列のスイミングスクールに就職し、
転勤でここにやってきたそうです。
念願だったジュニアオリンピックにも出場していたそうです。


一度記憶の糸がほどけると、
あとはずるずると思い出されるもので、
あのころからバタフライが得意だったこと。

兄弟関係や家族構成が次から次へとで出来ました。
「よく覚えていますね」
 谷ちゃんの方から感心されてしまいました。

レッスンが始まりました。
インストラクターはもちろん、谷山君です。
列になり、谷ちゃんの提案するメニューを次々こなします。

谷ちゃんは、生徒さんが自分の所まで泳いでくると、
手を取ったり足を取ったりしてその方をサポートします。

列を見渡すと、ぼくより年配の、そして常連らしい方ばかり。
数人のペアでお話をしています。

そして、谷山君は、と見ると、
説明の度にそんな常連の方にいじられて右手を後頭部にあてて笑っています。
その笑顔は小学校の時のままでした。

「あ、こちらの方、ぼくの小学校時代のせんせいです」
突然ぼくをみんなの前で紹介しました。一斉にコチラを向いたので

「谷山をよろしくお願いします」
とボケてみました。



「谷ちゃんって、どんなせんせいですか?」 
 古株そうな方に聞くと「いいせんせい」と即答。

「とにかく面倒見が良いのよ。わたしたち年寄りは別に速くなんて泳がなくって良いの。
そういうのを丁寧に教えてくれるの」
その評価になんだかぼくまでが褒められたような気分になりました。



そしてバタフライの実技に入ると、一人一人の腰を持って、
より深いところまで体を入れる感覚をサポーとしてくれました。
「バタフライって深く体を水に入れるんです。それによってあがっていくんです」
水泳に関しては歯切れ良く発言します。



で、とにかく、何か言うときに必ず「先生」っていう主語を入れるんです。
「先生、もっと腕を自ら抜いて」
「先生、イメージは両足でクロールする感覚です」
もう先生、っていうのやめてくれ、
と思いながら、教え子に教えてもらえる幸福感を味わっていました。



谷ちゃんのデモンストレーションを見たとき、
かつて同じように彼に泳いでもらったことを思い出しました。
 
そして何より彼らしさを感じたのは、年配の生徒さんからいじられることです。
「優しすぎるんだから。まじめすぎるのよ」
右手を頭にかかえうつむいているその姿は、
教室でいじられたあの場面と同じでした。

彼をいじることで場が和やかになる。
それはあの小学校4年生の時と何一つ変わっていませんでした。
小学校4年生の自分を「子どもの時分」
もっというと「未成熟な自分」と思い込んでいる人はたくさん多く、
あのままではいけない、と囚われています。 

そんなことありません。あのときのままがとっても素敵なのです。
けっきょくは自分を否定し、正しい自分を作り上げようとします。

スクールが終わって、フリースイムになると、谷ちゃんが話しかけてきました。
「せんせいにほめられたくって自学を一生懸命やりました」
彼の口からそんな言葉が出てきてびっくりしました。
「ああ、ごめんね。当時は大賞とかつくっていて」
思わず謝ってしまいました。

谷ちゃんを担任した年からはじめた自学はまだジャッヂしていました。
それがモチベーションになることも、
むしろそれがあるからこそ自分らしく表現できなかった、ということも後に知りました。

「でも、認めていたよ。谷ちゃんがいじられてはにかむだけで
クラスが和やかになったということは。谷ちゃんはすごいっていうことを」
でも、当時、そのことを伝えられなかった気がします。

谷ちゃんは、はにかんでいました。




お話会です。
来た方にあわせてお話しする会
まだ参加者がいません
いなくてもしゃべります
https://yokayoka-gakuin.com/events/2211banana7



来月は12月7日(水)の予定です



[subscriber:firstname | default:Subscriber]さんの一日が
最高のものになりますように。
ばななさん応援しています

素敵な一日を
byばなな


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