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「あなたのかかりをしようよ! 自分と周りを幸せに出来るよ」 |
林さんは7分でテストを終わらせてさっさと100点をとると、まっさきに矢野さんのところに行った。
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林さんの顔をうれしそうで、これがやりたくってやりたくって、テストを早く終わらせたような気がした。
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矢野さんは、一画描いてもらうと、あっ、ってほおを赤らめ、のこりの字を書いた。
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みんな自分のテストで精いっぱいのはずなのに、なぜか拍手がおこった。
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黒田君も矢野さんも自分で書ける字が以前に比べかくだんに多くなっていた。
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そこにテストで100点をとりおえたみんながかけつけ、一画、一画と書いていった。
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二人のつくえのまわりを書きおえた子がかこみ、その輪に入りきれない子は、おうえん団みたいに
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ぼくも天井をみつめ、こみあげてくるうれしさを感じた。
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でも、みんなを自分ごとに思って自分が100点とったらみんなで100点をとりにいくのは最高に楽しい。
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「わたしの100点ってみんなが力を貸してくれてとれた100点でした」
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「♪ ぼくの100点はみんなのとってくれた一画が入っている ♪」
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だれかがふしをつけて歌った歌を気づくとぼくも口ずさんでいた。
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この物語は、ぼくが教師時代にじっさいに体験したことをフィクションをまぜて書いています。
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早いときは2回で、本当に全員が100点とれました。
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みんなで100点がとれると、クラスがまとまります。
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勉強って、自分を幸せにするだけでなく、誰かを幸せにするためにもあるんだって知ります。
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そうすると、一人ひとりが周りの人を「自分ごと」でみつめます。
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周りの人のことを自分ごとにすると、自分のできることは人にやってあげたいと思うようになります。
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一人では難しい問題もみんなの力でクリアすることができる気がします。
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でも、この小冊子を読んでいるとあっさりと100点とっているように感じると思います。
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一番のハードルは「テストは競争や優劣を競うもの」っていう考え方です。
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「テストは順番を知るためのモノ。だからみんなが100点だったら自分はすごい人ではない」
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特に、大人たち、おわかりでしょうが、子どものお母さんがそう思っているのです。
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お母さんにほめられたいので、子ども達もそう思うのです。
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そして、自分たちの得意なことを無理なくシェアして、課題をクリアする。
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でも、今では、課題が複雑で難しい答えがたくさんあります。
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こんなときこそ、みんながそれぞれの得意で取り組んだら、100点がとれないテストがない、とぼくは思っています。
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ぼくはこの小冊子を書きました。ぼくの役割はこれでおわりです。
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つまり、この小冊子を手にしたらみなさんもすでに誰かのテストに赤い字を書いているのと同じなんです。
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